フェアトレードとは?

フェアトレードとは?

フェアトレード(Fair Trade : 公平貿易)とは、発展途上国でつくられた 農作物や製品を適正な価格で継続的に取引することより、生産者の生活を支える 貿易のありかた です。ときに国際協力・資金援助は 、援助する側の都合により左右され、継続性に欠ける問題点があります。それに対して、フェアトレードは、私たち消費者が日常生活でコーヒーやバナナ、チョコレートなど、商品の購入から生産者の生活を支えられる取り組みで、貧困課題の解決策のひとつとして、世界中で広がるムーブメントになっています。

フェアトレードはヨーロッパを中心に1960年代から広まり、世界的な運動になりました。数千もの「第三世界」ショップが世界中に開かれ、日本でもフェアトレードに取り組む団体 や企業、商品を扱うお店が増加しています。現在では、ヨーロッパや北米で広がるフェアトレードは、明確な基準と監査にもとづく、「 国際フェアトレード認証ラベル製品」と認識されるまで普及しています。一方、日本では、言葉が独り歩きしている傾向にあり、第三者機関による認証や監査も不明な状態で、客観性に欠けるフェアトレード商品もある状況です。

最新の国際フェアトレード認証ラベル
国際フェアトレード認証ラベル


国際フェアトレード認証ラベル

わかちあいプロジェクト代表 松木 傑(マツキ スグル)はFairtrade International(本部:ドイツ「国際フェアトレードラベル機構」)によるフェアトレード商品を1993年、日本で初めて導入採用。日本国内の国際フェアトレード認証ラベル製品の認証機関である「フェアトレード・ラベル・ジャパン」を立ち上げ、支えてきた経緯から、国際的なフェアトレードに関する情報をできるだけ提供するよう努めています。

フェアセレクトショップ

フェアトレードの普及と国際フェアトレード認証ラベルのはじまり

フェアトレードはヨーロッパを中心に1960年代から広まりました。当時は、理解のある限られた市民による消費者運動であり、 一般的な流通市場との接点がなく、貿易額も限られていました。 フェアトレード運動を広げるためには、商品を扱うより多くの販路が必要で 、そこで考えだされたのが、フェアトレード・ラベルのしくみです。 国際フェアトレード基準を設定し、基準を遵守した製品に共通のラベルマークを貼付することでそれを消費者に知らせる仕組みは、1988年オランダでマックスハベラーという名前で始まりました。1992年にはドイツでトランスフェアインターナショナルとして組織され、同様の運動が欧米各国に広がっていきました。 1997年、各国に展開されていた日本を含む14のラベル推進機関を束ねるアンブレラ組織として、Fairtrade International「 国際フェアトレードラベル機構 」が設立されました。2002年には、各国で異なるラベルデザインを「国際フェアトレード認証ラベル 」に統一され、順次 、切り替えられました。現在では、欧州ほぼ全域、北米、日本、オーストラリア、ニュージーランドなど世界30カ国以上に展開されているラベル推進組織が、国際フェアトレードラベル機構の構成メンバーとして認証ラベルの普及に努めています。 2007年5月には、中南米・アフリカ・アジアの各生産者ネットワーク組織も加わりました。 2020年には、国際フェアトレード認証を受けた途上国の生産者は71ヶ国1880組織190万人までに広がり、世界131ヶ国で3万5千点以上の国際フェアトレード認証製品が販売されています。(参照:Faitrade International)

拡大する国際フェアトレード市場

国際協力団体のみならずメーカーなどの一般企業でも、国際フェアトレード認証のルールに賛同し、フェアトレードに参加することができるようになり、スーパーにもラベル商品が並ぶようになりました。基準を守って輸入された商品には、フェアトレード商品であることを表すラベルを貼ることが許され、消費者はそのことを理解して、ラベル付き商品を選んで購入し、途上国の生産者を支援することができます。国際フェアトレード認証ラベルは、世界的に最も広く認識された、エシカル(倫理的)なラベルです。この運動の中心的役割を果たしてきたオランダでは、消費者の90%がラベルの意味を知っているほどに普及しています。世界全体では、6割以上がフェアトレードラベルマークを認知しています。

フェアトレード焙煎コーヒー - フェアトレード商品通販 | Fair Select わかちあいプロジェクト フェアトレードショップ ▶詳しくはこちら

■海外でのフェアトレードの普及
国際フェアトレード認証ラベル製品の世界の市場規模は、2018年に推定約98億ユーロ(約1兆2775億円)を突破しました。フェアトレードの貿易量に応じて各生産者組織に直接支払われるフェアトレード・プレミアム (奨励金)は、2020年には1億9千万ユーロ(約233億円)にのぼり、途上国の地域社会や生産者組織の持続的な発展のために確実に役立てられています。2020年のフェアトレード・プレミアムの使途を、持続的な開発目標SDGsのゴール別に分類すると、16%がゴール1「貧困をなくそう」、64%がゴール2「飢餓をゼロに」の達成に寄与しました。また、約1千5百万ユーロ(約18億円)が新型コロナウイルス対策に充てられ、人々の命を守る活動に役立ちました。

世界の国際フェアトレード認証の現状は、Fairtrade International のウェブサイト(英語)からご覧いただけます

Fairtrade Internationalはこちら

■フェアトレードが盛んな国の現状

~イギリスの場合~
市場規模世界一のイギリスでは、消費者の93%がフェアトレードマークを知っており、83%がエシカルな商品として信頼しています(2020)。英国で販売されているバナナの3本に1本がフェアトレードで、焙煎コーヒー(粉)商品の25%がフェアトレードです。英国全土に千校を超えるフェアトレードスクールと、600以上のフェアトレードタウン/シティ等が活動しています。2012年に開催されたロンドンオリンピックでは、フェアトレード認証コーヒーが1千万杯、フェアトレード認証バナナが7百万本も売れました。
~ドイツの場合~
FLO本部のあるドイツでは、フェアトレードのパイオニアであり、現ヨーロッパ最大のフェアトレードカンパニーであるGEPAが、300種類ものフェアトレード食品と350以上のフェアトレード雑貨を常時販売し、世界フェアトレードのネットワークで存在感を示しています。
~スイスの場合~
フェアトレード認証製品の一人当たり年間購入額が世界一のスイスでは、一人年間約1万2千円(108スイスフラン/2020)をフェアトレード商品に費やしており、そのうち1/4をコーヒーやフルーツジュースなどの飲料が占め、日常的にフェアトレード飲料を消費しています。

【参照】

Fairtrade Foundation:https://www.fairtrade.org.uk/

The Fair Trade Company GEPA: https://www.gepa.de/

Fairtrade MaxHavelaar Switzerland: https://www.fairtrademaxhavelaar.ch/

日本におけるフェアトレードラベル運動の誕生と発展

わかちあいプロジェクトの設立者、松木傑元ルーテル教会牧師 は、教会の活動でヨーロッパを訪問する中で、フェアトレードの仕組みを知りました。
そして、当時ドイツで進められていた、フェアトレード認証「トランスフェア」の仕組みを学び、フェアトレードを普及させるため、日本に持ち帰りました。
1993年11月、わかちあいプロジェクトを筆頭にいくつかの市民団体と教会組織が集まり、日本のフェアトレード認証組織「トランスフェア・ジャパン」を設立しました。
そして日本で最初の国際フェアトレード認証コーヒー「カフェ・マム」を第一コー ヒー(株)の協力のもと、わかちあいプロジェクトより発売しました。
2004年2月、フェアトレード基準の世界での統一化にともない、名前を「トランスフェア」から「フェアトレード・ラベル」へ変更しました。
これを機に認証組織と販売組織が分離する形で、NPO法人「フェアトレード・ラベル・ジャパン」が設立されました。
わかちあいプロジェクトはその後も世界中から国際フェアトレード認証ラベル 製品を取り寄せ、国内では最も多くの種類の商品を取り扱っています。

フェアトレードラベルの導入ストーリーはこちらをご覧ください。
2013年、フェアトレード・ラベル運動が日本で始まって20周年を迎えました。フェアトレード市場は日本でも年々成長を続けています。

フェアトレード・ラベル・ジャパン設立20周年イベントにわかちあいプロジェクト代表(フェアトレード・ラベル・ジャパン設立者)の松木が参加しましたフェアトレード・ラベル・ジャパン設立20周年イベントにわかちあいプロジェクト代表(フェアトレード・ラベル・ジャパン設立者)の松木が参加しました。

国内フェアトレード認証ラベル 製品の市場規模推移
日本で流通するフェアトレード製品は、従来 約7割をコーヒー豆が占めていました。 近年では、チョコレートやコットン製品なども増え、多様なフェアトレード製品が 販売されるようになりました。イオン、スターバックス、森永製菓といった大手が参入をはじめたことで、2015年に推定市場規模が初めて 100 億円を超えました。
2022年のフェアトレード認証製品の推計市場規模は195.6億円となりました。2021年の157.8億円と比較をすると24%増という過去10年で最大の伸び率となり、さらに市場規模の拡大幅で見ると前年比38億円と推計史上最大の拡大を記録した1年となりました。
しかし、フェアトレード・インターナショナルの本部があるドイツと日本の市場規模を比較すると、ドイツは2,727億円と、日本の約17倍。一人当たりの年間購入額が最も多いスイスと年間購入額を比較すると、スイスは12,765円と日本の約101倍という結果となりました(※)。
欧州諸国で規模が大きい背景には、消費者の環境・社会課題に対する意識の高さや、フェアトレードの認知の高さを受けて、企業が積極的にフェアトレードを取り入れる傾向があります。欧州と日本の差はまだ大きいものの、前年と比較するとその差は縮んできているため、今後の日本市場の躍進が期待されます。(前年はドイツと日本の市場規模の差は約18倍、スイスと日本の一人当たり年間購入額の差は約108倍でした)

日本国内の国際フェアトレード認証の現状は、フェアトレード・ラベル・ジャパンのウェブサイトからご覧いただけます。

認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン http://www.fairtrade-jp.org/

通常の商取引とフェアトレードの違いは「基準」にあり

「フェアトレード」について、日本では、明確な定義がなされていません。
発展途上国から直接輸入したことで独自の判断による「フェアトレード商品」もあります。

国際フェアトレード認証ラベルの特徴は、品目ごとに基準が設定されています。
国際的に統一された明確な基準のもと、第三者の監査機関FLO CERT(フローサート)の専門査察官により、生産者組合、輸出入事業者、製造加工メーカー、商品のブランドオーナーは定期的に監査を受けます。フェアトレード基準は、
1.公正な価格などを定める「経済的基準」
2.労働環境や人権などについて定める「社会的基準」
3.持続可能な生産を可能にするための「環境的基準」の3分野にわたります。
商品に国際フェアトレード認証ラベルがついていることは、その基準をクリアしている「証(あかし)」になります。

国際フェアトレード認証ラベルを目印に、私たち消費者は、安心してフェアトレード商品を購入することができます。
これは、国が定める有機栽培のJAS認証制度と類似しています。有機栽培の商品も、民間の運動からはじまり、不明確でまぎらわしい表示から消費者を守るために国がJAS規格を定めた経緯があります。 国際フェアトレード認証ラベルが表示された商品は、原料等の輸出入事業者は…
1. 認証登録料を監査機関FLO CERTへ支払う
2. 原料などの取引において、フェアトレード・プレミアム(奨励金)を原料価格に加えて、生産者組合へ支払う
3. その原料から製造加工する事業者も規模に応じて、認証登録費用があります。
4. 製品のブランドオーナーは、フェアトレード認証ラベルを使用するライセンス契約を各国のフェアトレード・ラベル組織と結び、定められたライセンス料を負担します。
最終製品にはラベルを表示した商品パッケージの製作など、短期的な負担は増えますが、長期的には、自らのマーケットを広げることができると共に、フェアトレードの普及、拡大に貢献することになります。現在、フェアトレードは、団体や企業が取り組む課題の枠を超え、世界へ広がる活動になっています。
⇒ 国際フェアトレードラベル認証制度について

国際フェアトレードラベル以外のフェアトレードについて

フェアトレードのラベル運動が始まる前から、手工芸品を中心に生産者と消費国のフェアトレード関係を結ぶ団体の連盟として、World Fair Trade Organization「世界フェアトレード機関(以下、WFTO)」があります。
「製品」に対する認証基準を推進するFairtrade International国際フェアトレードラベル機構に対して、WFTOは組織や団体そのものが加盟参加します。フェアトレードを目的に設立され、団体の理念や活動がWFTOの指針を遵守することで加盟できます。
※その組織や団体のフェアトレード商品の売上げが全体収支の50%以上

ヨーロッパの主要なフェアトレード団体は、各国のフェアトレード・ラベル推進団体の運営を支え、Fairtrade InternationalとWFTOへ同時に参加しています。
そのため、ヨーロッパでは、いわゆる”フェアトレード”の売上げの90%は、国際フェアトレード認証ラベル製品で10% がWFTO加盟団体の製品などを含むフェアトレード商品といわれています。
※2014年より、WFTOの指針を守って作られた製品にWFTOによる「製品ラベルマーク」がつけられるようになりました。

日本では、「フェアトレード」という言葉を使用することに、JAS有機認証のような決まりがありません。そのため、Fairtrade InternationalやWFTOといった国際機関に加盟せず、発展途上国から直接輸入することで独自にフェアトレードを名乗るメーカーや店舗も存在します。発展途上国で支援事業を行ったり、現地で直接生産者と取引したりしていることが多いと言われています。
※国際フェアトレード認証では、製品のうち100%がフェアトレード原料である商品のみ、商品名に「フェアトレード」と記載できます(例:フェアトレードコーヒー、フェアトレード大豆、フェアトレードシュガーなど)。
加工食品の場合、フェアトレード原料が20%以上、化粧品の場合は5%以上使われているものは国際フェアトレード認証ラベル製品として認証ラベルを表示できますが、商品名に「フェアトレード」を付けることはできません。日本国内で ”フェアトレードクッキー” などの商品名で販売されている商品は、「基準のないフェアトレード」にあたります。

フェアセレクトショップ

ホーム

わかちあいプロジェクト

国際協力活動

フェアトレード

フェアセレクト

古着支援

採用情報

ページトップ